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筋肉痛のときに筋トレしていい?初心者が知っておきたい判断の目安と、つらくならない過ごし方

10月5日
読了時間: 28分
椅子から立ち上がろうと、両手を太ももに添えて少し前かがみになっている女性

「筋トレをした翌々日、階段を下りるだけで太ももが痛い」

「次のトレーニングの日なのに、まだ筋肉痛が残っている。休んだほうがいいの?」

運動を始めたばかりの頃は、こうした迷いがつきものです。

調べてみても、「筋肉痛のときの筋トレは逆効果」という記事もあれば、「筋肉痛でもトレーニングして大丈夫」という記事もあり、どちらを信じればいいのか分からなくなってしまう方も多いのではないでしょうか。


先に結論をお伝えすると、筋肉痛があるときは「痛む部位を強く鍛えるのは控え、それ以外の部位や軽い運動は無理のない範囲で行ってよい」というのが、基本的な考え方です。

休むか続けるかの二択ではなく、「どこを、どのくらい動かすか」を調整するのがポイントです。

また、「筋肉痛が来ないと効いていない」というのもよくある誤解です。

筋肉痛の強さは、トレーニングの効果を測るものさしにはなりません。


この記事では、筋肉痛の仕組みと、筋肉痛があるときにトレーニングをするかどうかの判断の目安を、研究論文などの資料をもとに整理します。

あわせて、筋肉痛をつらくしすぎない始め方、筋肉痛が出たときの過ごし方、筋肉痛ではない可能性があるときの受診の目安まで、仁川駅前のパーソナルジムHARVESTの考え方も交えてお伝えします。



目次

  • 結論:休むか続けるかではなく「どこを、どのくらい動かすか」

  • そもそも筋肉痛(遅発性筋肉痛)とは

  • 筋肉痛があるときに筋トレをするかどうかの判断の目安

  • 「筋肉痛が来ない=効いていない」は本当?

  • 初心者が筋肉痛になりやすい場面

  • 筋肉痛を強く出しすぎないための始め方

  • 筋肉痛が出たときの過ごし方

  • 自宅・ジム・パーソナルジム、それぞれでの調整のしかた

  • ケース別:こんなときはどう考える?

  • 筋肉痛ではないかもしれないとき:医療機関に相談する目安

  • HARVESTでの筋肉痛への向き合い方

  • トレーナー島村の視点

  • よくある質問(FAQ)

  • まとめ




結論:休むか続けるかではなく「どこを、どのくらい動かすか」

筋肉痛があるときにトレーニングをするかどうかは、「全部休む」か「いつもどおりやる」かの二択で考える必要はありません。

基本となる考え方は、次の3つです。

  • 痛む部位を、重い負荷で強く鍛えるのは控える

  • 痛みのない部位のトレーニングや、軽い運動は、無理のない範囲で行ってよい

  • 痛みが強い、日常生活に支障がある、いつもと違う痛みがある、といった場合は休む


たとえば、脚のトレーニングをした翌々日に太ももが筋肉痛になっているなら、その日は脚を強く鍛えるのを避け、上半身や体幹を中心にする、といった考え方です。

筋肉痛があるときに痛む部位を強く鍛えることを控えたほうがよいのは、筋肉痛が出ている時期には、筋力が一時的に落ちていたり、関節の動く範囲が狭くなっていたりすることがあるためです。

研究のまとめでは、こうした状態で無理に強い運動をすると、体の使い方が変わり、ほかの部位に負担がかかる可能性も指摘されています。※1※2


一方で、筋肉痛があるからといって、まったく体を動かしてはいけないわけではありません。

痛みのない部位を動かすことや、散歩のような軽い運動は、多くの場合問題なく行えます。

大切なのは、「筋肉痛だからやめる」「予定だからやる」と機械的に決めるのではなく、今の体の状態に合わせて内容を調整することです。



そもそも筋肉痛(遅発性筋肉痛)とは

トレーニングの翌日や翌々日に出てくる筋肉痛は、専門的には「遅発性筋肉痛(ちはつせいきんにくつう)」と呼ばれます。

英語の頭文字をとって「DOMS(ドムス)」と呼ばれることもあります。

運動中や運動直後に感じる「きつさ」や「疲れ」とは別のもので、少し時間がたってから現れるのが特徴です。


運動の翌日〜翌々日に出て、数日で治まるのが一般的

研究のまとめによると、遅発性筋肉痛は、慣れない運動をしてから12〜24時間ほどで現れ、24〜72時間ほどで痛みのピークを迎え、5〜7日ほどで治まっていくのが一般的な経過とされています。※1

「トレーニングの当日は平気だったのに、2日後のほうが痛い」と感じるのは、珍しいことではありません。

筋肉痛のときには、押したときの痛みや動かしたときの痛みのほか、筋肉のこわばり、軽い腫れ、力が入りにくい感じなどを伴うことがあります。※1

痛みの感じ方や続く期間には個人差があり、運動の内容や量によっても変わります。


「乳酸がたまるから筋肉痛になる」は、現在は否定されている

「筋肉痛は乳酸がたまるせいで起こる」という説明を聞いたことがあるかもしれません。

しかし、この説は現在の研究では支持されていません。※1

遅発性筋肉痛の仕組みは完全には解明されていませんが、慣れない運動による筋肉やそのまわりの組織への負担と、それに続く体の反応(痛みを感じやすくする物質の働きなど)が関わっていると考えられています。

つまり、「乳酸を早く流せば筋肉痛にならない」というわけではありません。


「下ろす動作」が多い運動で起こりやすい

筋肉痛は、特に筋肉が引き伸ばされながら力を出す動き(エキセントリック収縮)が多い運動のあとに起こりやすいことが知られています。※1

少し難しく聞こえますが、身近な例でいうと次のような動きです。

  • スクワットで、ゆっくりしゃがんでいく局面

  • ダンベルを持ち上げたあと、ゆっくり下ろしていく局面

  • 階段や坂道を下りるとき


「坂道を下ったあと、太ももがひどい筋肉痛になった」という経験がある方もいるかもしれません。

下りでは、太ももの前の筋肉がブレーキをかけるように引き伸ばされながら力を出しているため、筋肉痛が起こりやすいのです。



筋肉痛があるときに筋トレをするかどうかの判断の目安

ここからは、筋肉痛があるときに実際にどう判断すればよいかを、もう少し具体的に見ていきます。


痛む部位を強く鍛えるのは控えたい理由

研究のまとめでは、筋肉痛が出ている時期の高強度のトレーニングは避けることがすすめられています。※1※2

理由として挙げられているのは、主に次のような点です。

  • 筋肉痛の時期は、筋力が一時的に落ちていることがある

  • 痛みやこわばりで関節が動く範囲が狭くなり、いつもと違うフォームになりやすい

  • 痛む部位をかばうことで、別の部位に負担がかかりやすくなる


さらに、注意したいのが「痛みが消えた=完全に回復した」とは限らないという点です。

研究のまとめでは、筋肉痛は筋肉の機能が完全に回復するより先に消えることがあると指摘されています。※1

痛みが引いたからといって、すぐに以前より重い負荷に挑戦するのではなく、様子を見ながら段階的に戻していくほうが安心です。


痛みのない部位なら、トレーニングしてかまわない

筋肉痛があるのが脚だけなら、上半身や体幹のトレーニングは、多くの場合問題なく行えます。

たとえば、全身をまんべんなく鍛えたい方でも、毎回すべての部位を同じように鍛える必要はありません。

その日の体の状態に合わせて、

  • 脚が筋肉痛の日は、上半身や体幹を中心にする

  • 腕や胸が筋肉痛の日は、脚やお尻を中心にする


というように、部位を入れ替えて考えると、筋肉痛があってもトレーニングの流れを止めずに済みます。

「筋肉痛だから今週はお休み」と決めてしまうと、そのまま運動から遠ざかってしまうこともあります。

部位を入れ替えて続けることは、習慣を途切れさせないためにも役立ちます。


部位を入れ替えるときの考え方の例

トレーナーが見守るなか、ベンチに座って両手のダンベルを肩の高さに持ち上げる女性

「部位を入れ替える」といっても、具体的にどうすればいいのか迷う方もいると思います。

ここでは、運動を始めたばかりの方に多いパターンで、考え方の例をご紹介します。

あくまで一例なので、実際の内容は体の状態に合わせて調整してください。


週1回、全身をまんべんなく鍛えている場合

週1回であれば、次のトレーニングまでに1週間ほどあくため、筋肉痛が残っていることは多くありません。

もし残っていた場合は、その部位の種目だけ負荷を軽くするか、回数を減らし、ほかの部位はいつもどおり行う、という調整で十分なことがほとんどです。


週2回、全身を鍛えている場合

週2回の場合、間隔が2〜3日になることがあり、前回の筋肉痛が残った状態で次の日を迎えることもあります。

たとえば、前回のスクワットで太ももが筋肉痛になっているなら、その日は脚の種目を軽めにして、背中や胸、腕、体幹の種目を中心にする、といった組み立てが考えられます。


脚の日・上半身の日のように分けている場合

部位を分けてトレーニングしている場合は、筋肉痛が残っている部位の日を後ろにずらし、先に別の部位の日を行う、という入れ替えがしやすくなります。

どのパターンでも共通するのは、「予定どおりにこなすこと」よりも「その日の体に合わせること」を優先する、という考え方です。


軽く動かすと、痛みが和らぐことがある

筋肉痛があると、「なるべく動かさないほうがいいのでは」と考えがちです。

しかし、研究のまとめでは、運動することが筋肉痛の痛みを和らげるもっとも有効な手段の一つである一方、その効果は一時的であるとされています。※2

実際、「動き始めは痛いけれど、少し歩いていると楽になってくる」と感じる方は多いと思います。

散歩や軽いサイクリング、痛みの出ない範囲で体を動かすことは、筋肉痛の時期にも取り入れやすい方法です。

ただし、和らぐのは一時的なものと考え、痛む部位に強い負荷をかける理由にはしないようにしましょう。


休んだほうがいいサイン

次のような場合は、トレーニングを休み、体を休めることを優先しましょう。

  • 痛みが強く、歩く・階段を上り下りする・腕を上げるなど、日常の動作がつらい

  • 筋肉ではなく、関節のあたりが痛む

  • 運動中に「ピキッ」「ブチッ」といった急な鋭い痛みがあった

  • 左右の片側だけが、明らかに強く腫れている

  • 熱っぽさやだるさなど、体調全体がすぐれない

  • 睡眠不足や疲れがたまっていて、体が重い

このうち、関節の痛み、急な鋭い痛み、強い腫れなどは、一般的な筋肉痛とは異なる可能性があります。

後ほど「医療機関に相談する目安」でも詳しく触れます。


判断に迷ったときのセルフチェック

筋肉痛があるときに、今日どうするか迷ったら、次のように考えてみてください。

  1. 痛みはどの程度か:日常生活に支障があるほどなら、休む。動くと少し気になる程度なら、次へ。

  2. 痛いのはどこか:痛む部位はその日は強く鍛えず、痛みのない部位を中心にする。

  3. いつもと違う痛みはないか:関節の痛み、鋭い痛み、強い腫れがあれば、無理をせず休む。

  4. 体調全体はどうか:睡眠不足や体調不良があれば、軽い運動にとどめるか休む。

迷ったときは、「やらなかったこと」を責めるより、「今日はできる範囲で調整した」と考えるほうが、長い目で見て続けやすくなります。



「筋肉痛が来ない=効いていない」は本当?

運動を始めて数週間たつと、今度は「最近、筋肉痛が来なくなった。効いていないのかな」という不安を感じる方がいます。

結論からいうと、筋肉痛が来ないことは、トレーニングの効果がないことを意味しません。


筋肉痛の強さは、効果やダメージの大きさを正確には表さない

研究のまとめでは、筋肉痛の強さは、筋肉への負担の大きさを示す他の指標とあまり一致しないことが示されています。※1

つまり、「筋肉痛が強い=しっかり効いた」「筋肉痛がない=効いていない」とは言い切れないのです。

筋肉痛は、あくまで「体が慣れていない刺激を受けた」というサインの一つと考えるとよいでしょう。


同じ運動を続けると、筋肉痛は起こりにくくなる

一度ある運動をすると、その後しばらくの間、同じような運動をしたときに筋肉痛や筋肉への負担が起こりにくくなることが知られています。

これは「繰り返し効果(リピーテッド・バウト効果)」と呼ばれます。※1

研究のまとめによると、この効果は数週間、長い場合は6か月ほど続くこともありますが、時間とともに弱まっていくとされています。※1

最初の頃は筋肉痛が出ていたのに、続けるうちに出にくくなったのは、体がその運動に慣れてきた自然な変化です。

「効かなくなった」のではなく、「慣れてきた」と考えてください。

逆に、しばらく運動を休んでから再開したときや、新しい種目を始めたときに、また筋肉痛が出やすくなるのも同じ理由です。


「超回復」と筋肉痛の関係

筋トレについて調べていると、「超回復」という言葉を目にすることが多いと思います。

筋肉痛が消えたら回復した合図なので、次のトレーニングをしよう、という説明を見かけることもあります。

ただ、先ほどお伝えしたように、筋肉痛は筋肉の機能が完全に回復するより先に消えることがあります。※1

また、筋肉痛が来ない場合もあるため、筋肉痛だけを頼りにトレーニングの間隔を決めるのは難しいと考えられます。

トレーニングの間隔は、筋肉痛の有無だけでなく、生活のリズムや体調、トレーニングの内容をあわせて考えるのがおすすめです。


筋肉痛の代わりに、効果を確かめる目安

筋肉痛に頼らずにトレーニングの成果を確かめるには、次のような変化に目を向けてみてください。

  • 以前より重い重さを扱える、または同じ重さで回数が増えた

  • フォームが安定し、狙った筋肉を意識しやすくなった

  • 階段や立ち座りなど、日常の動作が楽になった

  • 疲れにくくなった、体調がよい日が増えた

  • トレーニングを続けられている回数や期間

体重の数字との付き合い方や、体重以外の変化の確かめ方については、筋トレを始めたら体重が増えた?初心者が知っておきたい理由と、体重以外で変化を確かめる方法でも詳しくご紹介しています。



初心者が筋肉痛になりやすい場面

筋肉痛は、体が慣れていない刺激を受けたときに起こりやすくなります。

そのため、運動を始めたばかりの方は、次のような場面で筋肉痛を感じやすくなります。


初めてのトレーニング・久しぶりの運動

運動習慣がなかった方や、しばらく運動から離れていた方は、体にとってほとんどの動きが「慣れていない刺激」です。

そのため、軽めの内容でも筋肉痛が出ることがあります。

これは、体力がないからでも、やり方が悪かったからでもありません。

誰にでも起こりうる、ごく自然な反応です。


新しい種目を取り入れたとき

同じ部位を鍛える種目でも、動き方が変わると、体にとっては新しい刺激になります。

続けてきたトレーニングに新しい種目を加えたときに、久しぶりに筋肉痛を感じるのはこのためです。


回数や重さを一気に増やしたとき

「もっと頑張ろう」と思って、回数やセット数、重さを急に増やしたときも、筋肉痛が出やすくなります。

気持ちが前向きなときほど、一度に増やしすぎてしまうことがあるので注意しましょう。


下りの動きが多かったとき

先ほどご紹介したように、下りの階段や坂道、ゆっくり下ろす動作が多いと、筋肉痛が起こりやすくなります。

トレーニング以外でも、ハイキングや旅行で坂道を多く歩いたあとに筋肉痛を感じることがあります。



筋肉痛を強く出しすぎないための始め方

筋肉痛そのものは、多くの場合心配のいらない一時的なものです。

ただ、強すぎる筋肉痛は日常生活をつらくし、「運動はしんどいもの」という印象につながってしまうこともあります。

運動を始めたばかりの方が、筋肉痛を強く出しすぎずに続けるためのポイントをご紹介します。


最初は「少し物足りない」くらいから始める

研究のまとめでは、筋肉痛を起こしやすい運動は、段階的に取り入れていくことがすすめられています。※2

最初から「限界まで頑張る」必要はありません。

初回は、「もう少しできそう」と感じるくらいで終えておくと、翌日以降の筋肉痛が強くなりすぎるのを防ぎやすくなります。


重さ・回数・種目数は、一つずつ少しずつ増やす

慣れてきたら、重さ、回数、セット数、種目数を少しずつ増やしていきます。

このとき、一度にすべてを増やすのではなく、一つずつ変えていくのがおすすめです。

前の項でお伝えした「繰り返し効果」は、筋肉への負担が小さい運動を繰り返した場合でも得られることが報告されています。

研究のまとめでは、筋肉痛などの悪影響を避けるもっとも有効な方法として、軽めの負荷から始め、回を重ねながら少しずつ強度を上げていくことが挙げられています。※1


間隔をあけて、無理のない頻度で続ける

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人に対して筋力トレーニングを週2〜3日行うことがすすめられています。※3

ただし、これは目安です。

運動を始めたばかりの方が、最初から週2〜3回をこなす必要はありません。

週1回から始めて、体が慣れてきたら回数を増やしていく方法もあります。

同じ部位を鍛える日は、間隔をあけるようにすると、筋肉痛が残った状態で同じ部位を鍛える場面を減らせます。


初回のあとは、予定を詰め込みすぎない

初めてのトレーニングや、久しぶりの運動をした翌日・翌々日は、筋肉痛が出る可能性があります。

その時期に、長時間の外出や重い荷物を運ぶ予定などを詰め込みすぎないようにしておくと、筋肉痛があっても落ち着いて過ごしやすくなります。



筋肉痛が出たときの過ごし方

ジムの床に座り、両手を添えて、脚の様子を確かめている女性

ここからは、実際に筋肉痛が出てしまったときに、どう過ごせばよいかをご紹介します。

前提として、一般的な筋肉痛は時間とともに自然に治まっていくものです。※1

「何か特別なことをしなければ治らない」と考える必要はありません。

そのうえで、つらさを少しでも和らげるための考え方をお伝えします。


軽く体を動かす

前の章でお伝えしたように、体を動かすことは筋肉痛の痛みを一時的に和らげる方法の一つとされています。※2

痛みの出ない範囲での散歩や、家の中でゆっくり体を動かすなど、軽い運動を取り入れてみましょう。

じっとしているより、動いているほうが楽に感じることもあります。


ストレッチは「気持ちよい範囲」で

筋肉痛を早く治すために、痛む部位を強く伸ばそうとする方もいます。

しかし、複数の研究をまとめた分析では、運動の前後にストレッチをしても、筋肉痛を軽くする効果はごく小さく、実感できるほどの差はないと結論づけられています。※4

また、筋肉への負担が大きかったあとは、強く伸ばすことが回復の妨げになる可能性を指摘する研究のまとめもあります。※1

そのため、「ストレッチをすれば筋肉痛が早く治る」と期待しすぎず、痛みを我慢して強く伸ばすことは避けましょう。

行う場合は、痛みの出ない、気持ちよいと感じる軽い範囲にとどめてください。


マッサージなども選択肢の一つ

運動後の回復の方法を比べた研究のまとめでは、マッサージが筋肉痛や疲労の回復にもっとも効果的な方法の一つとされています。

軽い運動を取り入れた回復法や、着圧ウェア、水に浸かる方法、冷却なども、筋肉痛の軽減に役立つ可能性が示されています。※5

ただし、これらの研究の多くは運動習慣のある人を対象としており、効果の大きさは方法や条件によって異なります。

強く押したり、痛みを我慢したりする必要はありません。

心地よいと感じる範囲で取り入れてみてください。


食事と睡眠を、いつもどおりに整える

筋肉痛の時期だからといって、特別な食事が必要なわけではありません。

ただ、食事を極端に減らしていたり、睡眠が不足していたりすると、体調全体がすぐれず、トレーニングを続けるのがつらくなりがちです。

たんぱく質、炭水化物、脂質のバランスを意識した普段どおりの食事と、水分をこまめにとること、睡眠時間を確保することを心がけましょう。

食事の考え方については、無理な食事制限なし|HARVESTの食事サポートとはでもご紹介しています。


日常生活でつらいときのちょっとした工夫

筋肉痛がつらいのは、トレーニングの日よりも、むしろ仕事や家事をしているときかもしれません。

日常生活の中では、次のような工夫で少し楽に過ごせることがあります。

  • 階段は手すりを使い、急がない:特に下りでは、太ももの前の筋肉に負担がかかりやすくなります。

    手すりを持ち、一段ずつゆっくり下りるだけでも楽になります。

  • 長時間同じ姿勢を続けない:デスクワークなどで座りっぱなしになると、立ち上がるときにこわばりを強く感じやすくなります。ときどき立ち上がって、軽く体を動かしてみましょう。

  • 重い荷物は分けて運ぶ:腕や背中が筋肉痛のときは、買い物の荷物を左右に分ける、何回かに分けて運ぶなど、一度にかかる負担を減らしましょう。

  • 予定に余裕を持たせる:筋肉痛が出やすい時期を見越して、体を酷使する予定を重ねすぎないようにしておくと安心です。

筋肉痛は、多くの場合数日で治まっていきます。

つらい時期は「今だけ」と考えて、無理のない範囲で過ごしてください。


痛み止めを使うかどうかは、医師や薬剤師に相談を

筋肉痛がつらいときに、市販の痛み止めを使うかどうか迷う方もいると思います。

薬の使用については、持病や服用中の薬によっても判断が変わるため、自己判断せず、医師や薬剤師に相談してください。



自宅・ジム・パーソナルジム、それぞれでの調整のしかた

筋肉痛があるときの調整のしかたは、どこで運動しているかによっても少し変わります。

それぞれに向き・不向きがあるので、ご自身の環境に合わせて考えてみてください。


自宅でトレーニングしている場合

自宅でのトレーニングは、時間や場所を選ばず、その日の体調に合わせて内容を変えやすいのが利点です。

筋肉痛がある日は、痛む部位の種目を外して、ほかの部位の種目や軽いストレッチ、散歩などに切り替えることも簡単にできます。

一方で、フォームや負荷が合っているかを自分で判断する必要があり、「筋肉痛が出たのは、やり方がよくなかったから?」と不安になっても、確かめる相手がいないことがあります。

動画や鏡でフォームを確認する、記録をつけて負荷の変化を見える化する、といった工夫が役立ちます。


一般的なジムに通っている場合

マシンやダンベルなどの器具がそろっているジムでは、部位ごとに種目を選びやすく、筋肉痛がある部位を避けたメニューも組み立てやすくなります。

ただ、器具が多い分、「せっかく来たから」と種目を増やしすぎたり、周りの人を見て重い重さを選んでしまったりすることもあります。

筋肉痛がある日は、あらかじめ「今日は上半身だけ」「今日は軽めに」と決めてから行くと、やりすぎを防ぎやすくなります。


パーソナルジムに通っている場合

パーソナルジムでは、トレーナーにその日の体の状態を伝えれば、内容を調整してもらえるのが大きな利点です。

筋肉痛がどの部位にどのくらいあるかを伝えることで、痛む部位を避けたり、負荷を軽くしたりといった調整を、その場で行ってもらえます。

「筋肉痛があると言ったら怒られそう」「予定どおりできないと申し訳ない」と感じる必要はありません。

体の状態を正直に伝えることは、安全に続けるためにとても大切な情報です。

一方で、費用がかかることや、予約した時間に通う必要があることなど、自宅やジムとは違う負担もあります。

ご自身の目的や生活に合った方法を選ぶことが大切です。



ケース別:こんなときはどう考える?

よくある場面ごとに、考え方を整理してみます。


次のトレーニングの日に、まだ脚の筋肉痛が残っている

痛みが「動くと少し気になる程度」であれば、脚を強く鍛えるのは控え、上半身や体幹を中心にするのがおすすめです。

脚を動かす場合も、軽い負荷にとどめるか、痛みの出ない範囲で体をほぐす程度にしておきましょう。

パーソナルトレーニングを受けている場合は、筋肉痛があることをトレーナーに伝えれば、その日の内容を調整してもらえます。

遠慮せずに伝えてください。


筋肉痛が1週間たっても引かない

一般的な筋肉痛は、5〜7日ほどで治まっていくとされています。※1

それを過ぎても強い痛みが続く場合や、だんだん痛みが強くなっている場合は、筋肉痛以外の原因も考えられます。

無理にトレーニングを続けず、医療機関への相談を検討しましょう。


最初の数回は筋肉痛が出たのに、最近は出ない

これは、体がトレーニングに慣れてきた自然な変化です。※1

筋肉痛が出ないからといって、効果がなくなったわけではありません。

扱える重さや回数、日常の動きやすさなど、別の変化に目を向けてみてください。


筋肉痛がまったく来ない

初回から筋肉痛がまったく来ないという方もいます。

筋肉痛の出方には個人差があり、筋肉痛が来ないこと自体は、トレーニングに意味がないことを示すものではありません。

ただし、内容が軽すぎて、体にほとんど刺激が入っていない可能性もゼロではありません。

気になる場合は、フォームや負荷が今の自分に合っているかを、トレーナーなどに確認してもらうとよいでしょう。


筋肉痛というより、関節が痛い

膝や肩、腰など、関節のあたりが痛む場合は、一般的な筋肉痛とは異なる可能性があります。

フォームや負荷が合っていないことも考えられるため、痛む動作は避け、続く場合は医療機関に相談しましょう。


片側だけ強く痛む・腫れている

左右の片側だけが明らかに強く痛んだり、腫れたりしている場合も、一般的な筋肉痛とは異なる可能性があります。

無理に動かさず、様子を見ても改善しない場合は医療機関へ相談してください。



筋肉痛ではないかもしれないとき:医療機関に相談する目安

ほとんどの筋肉痛は、時間とともに自然に治まっていきます。

ただし、まれに、筋肉痛とは異なる、医療機関での対応が必要な状態が隠れていることもあります。


一般的な筋肉痛と、注意したい痛みの違い

あくまで目安ですが、一般的な筋肉痛と、注意したい痛みには、次のような違いがあります。


一般的な筋肉痛に多い特徴

  • 運動した翌日〜翌々日ごろから出てくる

  • 鍛えた筋肉全体に、鈍い痛みやこわばりがある

  • 押したり、伸ばしたり、力を入れたりすると痛む

  • 動いているうちに少し楽になることがある

  • 数日たつと、だんだん和らいでいく


注意したい痛みに多い特徴

  • 運動中に、急に鋭い痛みが出た

  • 筋肉ではなく、関節のあたりが痛む

  • 一部分だけが強く痛む、腫れている、内出血がある

  • 安静にしていても強く痛む

  • 日がたっても和らがない、だんだん強くなる

注意したい痛みに当てはまる場合は、筋肉痛と決めつけずに、トレーニングを中止して様子を見るか、医療機関に相談することを検討してください。


すぐに医療機関に相談したいとき

次のような場合は、トレーニングを中止し、早めに医療機関に相談してください。

  • 尿の色が、赤褐色(紅茶のような色)になった

  • 筋肉の痛みや腫れが非常に強く、力が入らない

  • 運動中に急な鋭い痛みがあり、その後も痛みや腫れが続いている

  • 関節が腫れている、関節を動かすと強く痛む

  • 痛みが1週間以上続く、またはだんだん強くなっている

  • 発熱や強いだるさを伴う

特に、筋肉の痛みや力が入らない状態に加えて、尿の色が赤褐色になった場合は、「横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)」と呼ばれる状態の可能性があります。

激しい運動も原因の一つとされており、医療機関での診断が必要です。※6

こうした状態はまれなもので、一般的なトレーニングで過度に心配する必要はありません。

ただ、「いつもの筋肉痛と違う」と感じたら、我慢せずに相談することが大切です。

また、持病がある方や、医療機関で治療中の方は、運動の内容について主治医の指示を優先してください。



HARVESTでの筋肉痛への向き合い方

黒いパーカーの男性がタブレットを手に、テーブルの向かいに座る女性と笑顔で話している様子

HARVESTでは、運動を始めたばかりの方が、筋肉痛をきっかけに運動を嫌いになってしまわないことを大切にしています。


筋肉痛が強く出すぎないよう、負荷を段階的に上げる

HARVESTでは、最初から追い込むことを目的にしていません。

運動経験や体力、生活習慣を伺ったうえで、最初は筋肉痛が強く出すぎないよう、負荷を段階的に上げていくようにしています。


筋肉痛が出る可能性と過ごし方を、事前にお伝えする

初回や新しい種目を取り入れたときには、その後に筋肉痛が出る可能性があること、出たときにどう過ごせばよいかを事前にお伝えしています。

あらかじめ知っておくだけでも、筋肉痛が出たときに慌てずに済みます。


セッション後の体の状態も、LINEなどで確認する

トレーニングが終わったあとの体の状態についても、後日LINEなどで確認し、ご相談をお受けしています。

「思ったより筋肉痛が強い」「次回までに何をしておけばいい?」といった疑問も、一人で抱え込まずにご相談いただけます。


筋肉痛が残っている日は、状態を伺ってから内容を決める

筋肉痛が残った状態で来店された場合は、まず痛みの程度や日常生活への影響、体調などを伺ってから、その日の内容を判断します。

痛む部位はトレーニングで負荷をかけず、痛みの出ない範囲のストレッチにとどめ、トレーニングは痛みのない部位で行うようにしています。

筋肉痛があるからといってお休みにするのではなく、その日の体の状態に合わせて内容を調整することで、無理なく続けられるようにしています。


HARVESTは、兵庫県西宮市、阪急今津線の仁川駅から徒歩2分にある、完全個室・マンツーマンのパーソナルジムです。

「怒られない・比べられない・追い込まれない」環境で、運動を始めたばかりの方の体の状態に合わせて、一回一回の内容を調整しています。



トレーナー島村の視点

私、HARVESTのトレーナー島村は、トレーナー歴8年以上、年間2,000セッション以上の指導を行ってきました。

会員の方から「筋肉痛が来ないのですが、効いていないのでしょうか?」と聞かれることがあります。

そのとき私がお伝えしているのは、「筋肉痛は効果の目安ではない」ということです。

運動を始めたばかりの頃は、「筋肉痛が来るまで頑張らないと意味がない」と考えてしまいがちです。

しかし、毎回強い筋肉痛を目指して追い込むと、体がつらくなり、運動そのものが続かなくなってしまうことがあります。

HARVESTが大切にしているのは、「楽しいから続く、続くから結果。」という考え方です。

筋肉痛の有無に一喜一憂するよりも、無理なく続けられる内容を積み重ねていくことが、体の変化への近道だと考えています。

運動が続かなかった経験がある方は、運動が続かないのはあなたのせいじゃない。仁川のパーソナルジムが教える「続けられる理由」もあわせてご覧ください。



よくある質問(FAQ)


Q. 筋肉痛のときに筋トレをすると、逆効果になりますか?

痛む部位を重い負荷で強く鍛えると、フォームが崩れたり、ほかの部位に負担がかかったりしやすくなるため、控えたほうが安心です。

一方で、痛みのない部位のトレーニングや、軽い運動は、無理のない範囲で行ってかまいません。

休むか続けるかの二択ではなく、内容を調整して考えましょう。


Q. 筋肉痛が来ないのは、筋トレの効果がないということですか?

いいえ、筋肉痛の有無は効果の目安にはなりません。

筋肉痛の強さは、筋肉への負担の大きさとあまり一致しないことが分かっています。

また、同じ運動を続けると体が慣れて、筋肉痛は起こりにくくなります。

扱える重さや回数、日常の動きやすさなど、別の変化に目を向けてみてください。


Q. 筋肉痛はどのくらいで治りますか?

一般的には、運動の12〜24時間後に現れ、24〜72時間でピークを迎え、5〜7日ほどで治まっていくとされています。

ただし、個人差や運動の内容によっても変わります。

1週間以上強い痛みが続く場合や、だんだん強くなる場合は、医療機関への相談を検討してください。


Q. 筋肉痛のときは、ストレッチをしたほうがいいですか?

研究のまとめでは、ストレッチで筋肉痛が軽くなる効果はごく小さいとされています。

痛みを我慢して強く伸ばす必要はなく、強く伸ばすことは避けたほうが安心です。

行う場合は、痛みの出ない、気持ちよいと感じる軽い範囲にとどめましょう。


Q. 筋肉痛にならないようにするには、どうすればいいですか?

筋肉痛を完全に防ぐのは難しいですが、最初は少し物足りないくらいの負荷から始め、重さや回数を少しずつ増やしていくことで、強く出すぎるのを防ぎやすくなります。

新しい種目を取り入れるときや、久しぶりに運動するときも、軽めから始めるのがおすすめです。


Q. 40代・50代になると、筋肉痛は遅れて出るのですか?

「年齢を重ねると筋肉痛が遅れて出る」という話を聞くことがありますが、この記事の作成にあたって、それをはっきり裏づける資料は確認できませんでした。

筋肉痛の出方には個人差が大きく、運動の内容や慣れの影響も受けます。

年齢にかかわらず、ご自身の体の状態を見ながら内容を調整することが大切です。


Q. 筋肉痛が残っていても、パーソナルトレーニングの予約は行って大丈夫ですか?

多くの場合、問題ありません。

筋肉痛があることをトレーナーに伝えれば、痛む部位を避けるなど、その日の体の状態に合わせて内容を調整してもらえます。

HARVESTでも、状態を伺ってから内容を決めています。

ただし、痛みが強い場合や体調がすぐれない場合は、無理をせずご相談ください。



まとめ|筋肉痛のときは「休むか続けるか」より「どう調整するか」

筋肉痛があるときは、痛む部位を強く鍛えるのは控え、痛みのない部位のトレーニングや軽い運動を、無理のない範囲で行うのが基本です。

痛みが強い、日常生活に支障がある、いつもと違う痛みがあるといった場合は、休むことを優先しましょう。

筋肉痛の強さは、トレーニングの効果を示すものさしではありません。

続けるうちに筋肉痛が出にくくなるのは、体が慣れてきた自然な変化です。

筋肉痛に一喜一憂するよりも、扱える重さや日常の動きやすさ、続けられている習慣といった変化に目を向けることで、無理なく続けやすくなります。

「筋肉痛が不安で、運動を始めるのをためらっている」「前に頑張りすぎて、しんどくなってやめてしまった」という方は、無理な勧誘のない無料カウンセリングで、今の体の状態やご不安をお聞かせください。

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コースの詳細はSERVICES・PRICEのページもご覧ください。



参考資料

※1 Hody S, Croisier JL, Bury T, Rogister B, Leprince P. Eccentric Muscle Contractions: Risks and Benefits. Frontiers in Physiology. 2019;10:536.(確認日: 2026-10-04) https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6510035/

※2 Cheung K, Hume P, Maxwell L. Delayed onset muscle soreness: treatment strategies and performance factors. Sports Medicine. 2003;33(2):145-164.(確認日: 2026-10-04) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12617692/

※3 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」情報シート:筋力トレーニングについて(健康日本21アクション支援システム/e-ヘルスネット、最終更新日: 2024年2月22日、確認日: 2026-09-24) https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-00-005.html

※4 Herbert RD, de Noronha M, Kamper SJ. Stretching to prevent or reduce muscle soreness after exercise. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2011.(確認日: 2026-10-04) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21735398/

※5 Dupuy O, Douzi W, Theurot D, Bosquet L, Dugué B. An Evidence-Based Approach for Choosing Post-exercise Recovery Techniques to Reduce Markers of Muscle Damage, Soreness, Fatigue, and Inflammation: A Systematic Review With Meta-Analysis. Frontiers in Physiology. 2018;9:403.(確認日: 2026-10-04) https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5932411/

※6 MSDマニュアル家庭版「横紋筋融解症」(Anna Malkina, MD、最終更新: 2025年2月、確認日: 2026-10-04) https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/05-腎臓と尿路の病気/腎不全/横紋筋融解症

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